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【丸大食品/アンファー】活動休止中でもBTS系コンテンツで賑わっているワケ

丸大食品「BT21 フィッシュソーセージ」ほか|アンファー「スカルプD ボーテ ピュアフリーアイラッシュセラム シリーズ」

藤子・F・不二雄氏の代表作「パーマン」には、コピーロボットという便利なアイテムがありました。鼻を押した人そっくりに変身し、その人の不在時に身代わりとして活動してくれるロボットです。当時の少年少女たちはそんな夢のようなアイテムに憧れのまなざしを送っていたのです「宿題を、掃除を、かわりにやってもらいたい」——と。時は流れ現代、そんな“身代わりキャラ”を実現させている人たちがいます。

出典:藤子・F・不二雄大全集「パーマン」1巻 Pg.20

 

丸大食品が今春発売した「BT21」とのコラボソーセージ&ウインナーがバカ売れしているようです。

今さら説明は不要かとは思いますが、BT21とは世界的人気を誇る韓国の7人組アイドルグループ「BTS(防弾少年団)」の各メンバーをモチーフにしたゆるカワキャラクターたちです。

出典:BT21 フィッシュソーセージ&ウインナー特設サイト https://www.marudai.jp/user/products/special/bt21/

 

ことフィッシュソーセージでは、10種のキャラクターカード+レアカード1種の全11種をランダムで入れ、ARMY(BTSヲタのこと)たちの大量買いにうながす気まんまん、ヌカリなしです。

とくに本来7キャラだけのはずなのになぜかカードが10種あるところには、ラクにコンプさせまいとする確固たる信念が見受けられ、いい感じです。

やるなら徹底的にやる、というヲタマネー狙い企画の鉄則がしっかりと意識されています。その結果の「バカ売れ」状態なのでしょう。

出典:BT21 フィッシュソーセージ&ウインナー特設サイト https://www.marudai.jp/user/products/special/bt21/

 

そんな丸大の徹底ぶりもいいのですが、それよりも個人的に感銘を受けているのは、「今、BTSはグループとして活動休止中である」という事実と、そんな休業中のグループの代わりにキャラクターたちがしっかりとグループ活動を継続し、稼ぎまわっているという事実です。

そんな事実を、われわれは当たり前の光景として普段見ちゃっていますが、これってなにげにスゴいことだと思うのです。これはさながらパーマンに出てくるコピーロボットのムーブそのものといえるからです。

BTSはハコ推しファンが多いグループともいわれています。ハコ推しとは特定のメンバーではなく、グループ全体(グループメンバー全員)を推すということです。そんなハコ推しファンの多いグループが、グループとしての活動を休止してしまうのは苦渋の決断であったといえます。

出典:https://natalie.mu/music/artist/92574

 

すると当然、ハコ推しだったARMYたちは、推すものがなくなってしまうわけですから一大事です。メンバー個々人では活動をしているようですが、ハコ推しの人たちはそれではダメなのです。全メンバーが揃ってはじめて推せるのです。

そんなハコ推しARMYたちのために、BTS本人たちに代わりグループ活動をつづけているのがこのBT21キャラクターたちです。

基本的にこれらのキャラクターたちが単独で活動することはありません。基本7キャラワンセットです(1体、事務所社長がモチーフなんじゃないかと言われる謎キャラクターを除き)。

出典:https://www.kiddyland.co.jp/event/bt21_play_line_friends/

 

それが意味するところは、この個々のキャラクターたちはBTSメンバーそれぞれをモチーフにしていつつも、BTSというグループそのものをメタファー化させるべく生まれたコンテンツであるということがうかがえます。

そして昨年、BTS本体が一時的な活動休止(2022-2025年まで)に入ったことで、そんなBT21キャラたちがその本領を発揮しだしたのです。今や活動休止中のBTSに代わり、ARMYたちを飽きさせないために彼女(彼)らのお相手をしています。

この“飽きさせない”という方針の中に、今回の丸大のような「ファンたちからしっかりとお金をもらいつづける」という取り組みも関わってくるのです。彼女(彼)らの推しへの愛情は、お金をかけ続けることで維持されるという側面もありますから。そしてそれはBTS側にとっての大きな収入源でもあるので、ファンのつなぎ止めと収入確保の2つの側面でサポートしてくれるのです。

つまり、丸大をはじめとするこのBTS系コンテンツ起用企業側と、BTS側とはある意味、持ちつ持たれつの関係性であるということもできます。

 

 

BT21以外のグループ代理活動

ところで、そんなBTSがらみで、まったく違う業界で興味深いBTS活用法(BT21ではない)をしている企業がありましたので、それもあわせて紹介させていただきます。

それは、スカルプDのアンファー社です。スカルプDのまつげ美容液で「BTS IDOL スペシャルデザインパッケージ」を2月から展開しています。

ところで、これのどこがBTSなのよ?となりませんか。

出典:スカルプD まつげ美容液「BTS IDOL スペシャルデザイン」特設サイト https://scalpd-eye.angfa-store.jp/products/bts_idol

 

それもそのはずで、これはこの派手な柄がとある意味を持っているのですが、BTSファン以外が見てもそれには大抵気づけません。が、ARMYたちが見れば一瞬で「あ、あの柄だ!」とわかるやつです。

「IDOL」とはBTSの有名な楽曲ナンバーの1つで、そこでメンバーが着ているそれぞれの衣装の柄をモチーフにしたデザインなのです。こんな感じでございます。

出典:Youtube|BTS「IDOL」 https://youtu.be/pBuZEGYXA6E

 

一般人には「そんなんわかるかい!」だと思いますが、ARMYたちにとっては、自分たちだけがわかる特別な柄となるわけで、そこにまた特別感が生まれるという仕組みです。

なお、こちらでもちゃんと各メンバー柄ごとのパターンシールが展開されており、ヌカリなしです。推しメン柄が欲しい人でも一発でその柄を当てるのは難しいと思いますし、ましてやハコ推しARMYとなると、全種類そろえないといけないやつですね。

 

BTSは、BT21に限らずにこんな形でも、ファンたちを飽きさせないための「グループ活動」を展開させているわけです。

本体グループが活動休止中でも、いかにグループの存在を忘れさせないかということにあらゆる知恵が絞られており、商売のしかたがとてもうまいと思います(むろんBTSという最強コンテンツありきの話ですが)。

 

 

ふだんなら「厳しいっしょ」な施策もBTSがらみならできちゃうんです

ちなみに、今回のこのスカルプDまつげ美容液×BTSのコラボでは、もう1つ注目したい施策があります。それがこれです...

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