女性用ビューティー売場では、よく@cosmeやLIPSなどの「ベスコスPOP」見かけるじゃないですか。あれの順位が1位なの?2位なの?とか、どういうカテゴリーの受賞なのか?とかって買い手にとってはそれほど重要じゃなくって「とりあえず○○アワード受賞してるっぽい」ということが分かればそれで十分に買いの一押しになるのです。
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まずは、この売場展開を見てください。たいていの女性なら「あ~アノ美容系メディアのベスコスPOPね」となりますよね。※ベスコス=ベストコスメ(アワード)の略
ただ…しっかり意識をそこに向けてみると、「ん?」となりませんか。そして気付くのです「あ、アレじゃない!」と——。
そうなんです。コレはアレじゃないんです。アレっぽく見えますけど実は違うのです。それが意図的かどうかについてはここでは触れませんが、えてしてそういう錯覚に陥ってしまってもおかしくないような見た目であり、そうさせられるポイントがいくつか盛り込まれています。例えば以下のとおりです。
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- 色づかい(どことなく「@c○sme」や「L○PS」っぽい)
- デザインやフォント(どことなく「○的」っぽい)
- 「肌“編集”」キーワード(どことなく「L○PS」や「up PL○S」っぽい)
なかでもとくに「編集」というワードをうまく活用している点に関しては、なるほどなぁ~と感心させられてしまいます。なぜなら、この手の美容系ランキング系POPでは「編集部」というキーワードがよく用いられているからです。
この「編集部」っていうのがなかなか調子のいいコトバでして。よく見かけるのが「○○編集部おすすめ!」というやつです。実際のユーザーや読者から意見や投票を募るものと違い、編集部というブラックボックス内だけでオススメが選定できてしまうというなんとも素晴らしいマジックワードなのであります。
もとい「編集部おすすめ!」ならまだ優しいほうで、「○○編集部の注目度No.1」としながら「No.1」の部分だけをやたら強調してアピールする某美容系メディアもあったりして、なかなか“攻めた”活用が多いです。
そういった、この業界のお馴染みテクニックを、さらに逆手にとって活用しちゃおうというのが今回の施策であったりするので、これはこれで新たな境地を開拓する斬新な切り口でもあるような気もします。
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こういった“ぽく見せる”戦略をとる場合、やっぱりついて回ってきてしまうのが「うちのマネしてんだろ」と訴えられてしまうリスクです。そこには不正競争防止法、意匠法などがかかわってくるのですが、ここでは法律的な小難しい話は置いといて。
今回の展開では、そういった模倣指摘に対するリスク対策もうまく織り込んであるところが第二の感心ポイントであります。ちなみにそれは...