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【アサヒビール】「陽のサントリー」と「陰のニッカ」とその戦略

アサヒビール(ニッカウヰスキー)「ブラックニッカクリア」

サントリーのウィスキー群のポジショニングを「陽」とするならば、今回ニッカは「陰」を狙ってきています。なぜニッカはあえてパイの小さいほうを狙いに来たのか?その真意に迫ります。

 

ブラックニッカがファミ通とコラボした「ゲームでオトナ遊び部」なるプロモーションを開始しました。人気のゲーム実況ストリーマーのk4sen(カセン)氏を起用し、オトナ的なゲームの楽しみかたを紹介していく企画のようです。

出展:ブラックニッカクリア「 ゲームでオトナ遊び部」特設サイト https://www.nikka.com/asobibu/

 

こんな調子でゲーム×お酒をテーマにした動画や記事コンテンツを配信していますが、どんなターゲットのどんなシーンを狙ったプロモーションであるかは一目瞭然です。

ゲーマーな人たちに、ゲームを嗜みながらお酒も一緒に嗜んでもらいたい——。というシーン開拓型の施策であることがわかります。

同時開催のプレゼントキャンペーンの景品も“まさに”な感じでいいですね。

 

ただ、わかりやすいはわかりやすいでいいんですが・・・「もっと狙える大きいパイあるんじゃない?」となっちゃうわけです。例えば「食事と一緒に~」とか、「友人・知人との飲みに~」とか、「夫婦やカップルのくつろぎタイムに~」とか、もっとパイが大きくて、もっとブランド映えしそうな切り口がたくさんあるじゃないですか、と。

・・・が、そう思った矢先にふと気が付くわけです。

「そのパイぜんぶサントリーが持ってっちゃってるやんけ!」と。

 

 

サントリーが陽ならば、ニッカは陰。真逆を狙う意義。

そうなのです。このニッカの動きは、これがウィスキー需要のド真ん中にあるパイだなんてハナから思っていないのです。むしろ、そのド真ん中をサントリー軍(角瓶、トリス、ジムビームなど)に押さえられてしまっているがゆえに、そことの棲み分け戦略をとらざるをえなかったといったところがホンネというわけです。

しかしながら、これはこれで立派なマーケティング戦略です。いわゆる「弱者の戦略」といわれるやつです。

今回、ニッカは「大人ゲーマー」というエッジの立ったターゲット(&シーン)に狙いを定めてきました。これはサントリーが握っている領域を「陽」とすると、そのまったく逆のところにある「陰」といえる領域だといえます(これはゲーマーが陰キャだなどという話ではありませんのでくれぐれも誤解なきよう)。

この棲み分け戦略のいいところは...

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