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【バンダイ】「ガンプラ」をステレオタイプに見てしまうと判断を誤ります

バンダイ「びっくらたまご ドラマチックお風呂シリーズ GUNPLA ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム」

ガチャポンコーナーには、大きく分けて2種類のオトナがいます――。「子どもに付き添う親」と「子ども部屋おじさん(おばさん)」です。同じオトナでもそれらの2種類の人種はその空間では全く別の人種です。そんな話に通じるような企画商品の話です。

 

バンダイから2022年7月にガンプラ入りバスボールが発売されました。バスボール(またはバスボム)といえば、アンパンマンや、ディズニー、ポケモンなどを代表する子どもに人気なキャラクターのミニチュアマスコットたちがお風呂に浮かべた入浴剤ボールの中から出てくる、あのおもちゃ入り入浴剤です。

出展:びっくら?たまご ドラマチックお風呂シリーズ特設サイト https://bandai-lifestyle.jp/bikkuraDOS/bd_gunpla/

 

通常、バスボールといえば子どもの手にも収まる片手サイズの小袋入りがフツーなのですが、これはとにかくデカい。もはや手提げバッグと言っていいサイズの袋の中を占めているのはほとんどがプラモデル。主役のバスボールはガワからはほぼ見えません。

そしてお値段も税込1,540円と、完全に規格外。もはや誰がどう見ても見誤ることなく「オトナ向け」商品であることは明らかです。

 

このガンプラ入浴剤の取り組みは今回が初の取り組みのようなのですが(今後シリーズ化される予定?)、これを夏休み前のこのタイミングでリリースしてきたのにはしっかりと狙いがあります。

一般的な入浴剤といえば通常は秋冬が売れ時なのですが、ことこれらバスボールに限っては夏休み・冬休み・GWなどの「長期連休前」が売れ時になっています。すなわち“親子でお風呂”シーンが増える時期ということです。

子どもたちが夏休みに入り、ちょうどバスボールを買ってく親子が、「よ~し今日はお父さんも買っちゃうぞ~」となる流れを狙っているのです。ちょうど今の子育て世代はガンプラどんぴしゃ世代でもありますし。

 

どうせいつもの“食玩方式”でしょ――。じゃなかった。

このガンプラバスボールの企画で「あ~これウマく考えられてるわぁ~」とつい感心してしまったのが、“ちゃんとバスボールやってる”ところです。

はじめこのガンプラバスボールバッグを見たときの第一印象は「あ~バンダイお得意の食玩方式ね」というものでした。玩具が主役すぎて超~小さいガムやキャンディが申し訳ていどに1~2コだけポロっとついている、あの“食玩あるある”な仕様です。どうせガンダムのプラモが主役なんだから、バスボールでも何でもないただの中身なしの入浴剤でも付けてるんでしょ、とタカをくくっていたのですが。

でも違ったのです。ちゃんとバスボールしていたのです。子どもたちのソレと同じように中からオマケが出てくる入浴剤ボールがちゃんと添えられており、しかもその中身もミニプラモデル(敵キャラ)であるという徹底ぶり。これにはちょっと感動してしまいました。

球体型のプラモを設計して手が込んでるなぁ~ということももちろんなのですが、「何が大事なのかちゃんとわかって企画してるな」というマーケティング的視点にです。

▼miniガンプラ入りバスボール(セット内容の1つ)

出展:びっくら?たまご ドラマチックお風呂シリーズ特設サイト https://bandai-lifestyle.jp/bikkuraDOS/bd_gunpla/

 

規格は外しても、的は外さない

前述のとおりこの仕様にはちょっと脱帽です。ちゃんとターゲットの購入モチベーションのコアがどこにあるのか分かってつくってるわぁ~、と。

この商品における、そのコアは、...

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