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【カルビー】好きにしちゃって!クリエイターPKGコンテスト

カルビー「じゃがりこ サラダ」

ディズニーのとある有名作品の実写版で、プリンセスの人種が変わってしまった——。というちょっとした(ちょっとどころじゃない)話題が少し前にネット中心に盛り上がっていました。いわゆるポリコレ作品ってやつです。

ディズニーのポリコレ作品はだいたいコケがちという不名誉なウワサまで立つほどに、こういった芸術系コンテンツとポリコレは相性が悪いようです。

ポリコレって、言ってしまえば“シバリ”です。正しくあれ。平等であれ。というルールの半強制です。ただ、それは芸術活動とは往々にしてぶつかりがちです。なぜなら芸術活動はそういった社会通念の逆を突くことでその魅力を引き出したりすることも多いからです。いずれは「クリコレ(クリエイティブ・コレクトネス)」という概念も生まれるかもですね。

 


 

カルビー「じゃがりこ」が、クリエイター向けオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI」(GMOペパボ)とコラボしたパッケージデザインコンテストを8月22日から開催しています。

出典:カルビー「あた“いも”有名になりたーい!じゃがりこドリーム あなたのアイデアがじゃがりこに!?じゃがりこ パッケージデザインコンテスト」特設サイト https://suzuri.jp/lp/jagarico-dream

 

オリジナルのじゃがりこパッケージデザインを募集し、優秀作品には賞金と、もしかしたらそのデザインが期間限定パッケージとして商品化されるかもしれないという特典付きです。

出典:カルビー「あた“いも”有名になりたーい!じゃがりこドリーム あなたのアイデアがじゃがりこに!?じゃがりこ パッケージデザインコンテスト」特設サイト https://suzuri.jp/lp/jagarico-dream

 

応募フローにはSUZURIサービスのプラットフォームを活用し、テンプレート+合成操作でカンタンにオリジナルパッケージデザインがつくれる形になっているようです。

そして、応募フローの〆にはSNSでのシェアできるようになっています。今や、この手のクリエイター系コンテンツでSNSシェアは必須ですね。

ということで、X(旧Twitter)の投稿を見てきたところ、「もうそのまんま商品化しちゃっていいすね」と舌を巻く作品もあれば、「完全に遊んじゃってますよね」というものまで、いろいろユニークな作品が見れてなかなか面白いです。作品の一例置いときます。

出典:X(Twitter)「じゃがりこ パッケージ」検索結果 https://twitter.com/

 

ところで、見ていて面白いのが、おそらく大真面目に作品投稿しているのに盛大に世界観をハズしているクリエイターたちがちょいちょいいるところです。

シリアス系とか、グロカワ系とか、ファンタジー系とか、TPOが違えば十分にステキなタッチなんですが、いやいやじゃがりこには合わないでしょ…という世界観のアンマッチが起きてしまっているものが散見されます。

入賞狙う気そもそもないでしょ、的なアンマッチ具合も多いのですが、実はそれはそれで、そういうとっ散らかりが起きてしまうことをしっかり想定した(というかむしろそうなることに期待した)企画なのだと思います。その点は後述します。

ちなみに、この企画ではパッケージデザインだけつくって「応募はしない」という選択肢もあるようで、じゃがりこブランドとのアンマッチを認めているのか、あえて応募はしていないクリエイターもちらほら見受けられます。

となると、なぜそんなムダな労力を費やすようなことをするのか?という点が今度は気になってきます。応募はしないのに、とりあえずデザインはつくる。そこになんの意味があるのかと。

 

 

すべてのクリエイターが受賞を狙っているとは限らんのです

前段で、クリエイターたちとの交流企画では「SNS連携は必須」という話をしました。

それはなぜかというと、今やクリエイターたちにとってX(旧Twitter)やインスタグラムなどのSNSは重要な「営業活動の場」であるからです。彼らは営業活動の一環としてSNS拡散(間接的な商品PR)に励んでくれるのです。

彼らにとってSNSは、自身の作品を発信し、ファンを集め、交流し、ときにはフィードバックを得たり、企業からの案件オファーを受けるキッカケにもなりえます。「インタラクティブなポートフォリオ」といったところでしょうか。

そんなこんなで、彼らは日々のSNS発信ネタにも飢えていますので、こういったコンテスト型プロモーションは彼らにとって絶好の投稿ネタ調達の機会になるともいえます。

そう考えると先に挙げたように、ブランドの世界観とはアンマッチだけど自身の表現を貫くのも、そもそもそれがわかっていながらこの企画に乗っかるのも、わかっていながら敢えてそうしているのかもしれないという考えにも至るわけです。受賞を狙うだけが彼らの参加動機ではないということです。

 

 

クリエイターたちは遊ばせてナンボ

この企画をとおしてじゃがりこブランドが得られるもの。それは、先に挙げている「クリエイターたちによる自主的なSNS拡散(つまりはじゃがりこ商品の宣伝)」はいうまでもありませんが、ほかにもマーケティング戦略上注目したい点があります。

と、その前に。じゃがりこは過去にも何度かクリエイターコラボ企画をおこなっています。ただし、過去のコラボではLINEスタンプや漫画ブログなどで既に絶大な人気を誇る有名クリエイターたちとのコラボでした。

それが一転、今回は多くの(自称も含む有象無象の)クリエイターたちから、コンテストという形で幅広くデザインを募る方式にしています。その背景には大きく2つの思惑があるのだろうと読んでいます。

1つは、じゃがりこという遊びゴコロあるブランドの“アソビ”の幅をより広げたいということです。

遊びの幅を広げるには...

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