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【コカ・コーラ】エモエモしたGEORGIAリブランディングの裏で上げられたガチンコマーケバトルの狼煙

日本コカ・コーラ「ジョージア シリーズ」

缶コーヒーメガブランド「GEORGIA」の大規模なブランド刷新をうけて、とある界隈の人たちは「きたか…!!」となったはずです。そしてこの先に予想される展開に、関係者はハラハラ、部外者はワクワクしているのです。

 

コカ・コーラ社のコーヒーブランド・ジョージアが、史上最大規模のブランド刷新(公式発表ママ)をしました。それにともない、3月20日から「毎ドラ部 presented by GEORGIA」なるWEBコンテンツが公開されています。

毎ドラ部presented by GEORGIA

出典:日本コカ・コーラ ジョージア「毎ドラ部presented by GEORGIA」 https://mydrabu.georgia.jp/

 

この「毎ドラ」とは、「毎日って、けっこうドラマだ」という新生ブランドのキーコピーを短縮化させたワードのようです。同WEBサイトには以下のような“参加型体験コンテンツ”が展開されています。※2023年4月5日現在の展開。今後コンテンツ追加予定もあり。

  • 「AIイラストメーカー」・・・写真からイラストが生成(イラストタッチに変換)できる
  • 「みんなの聖地登録」・・・自分にとっての聖地をAIイラストとともにマップ登録
  • 「わたしが表紙ジェネレーター」・・・自身の写真から人気漫画の表紙が生成できる
  • 「スカイスナップ」・・・飛行船から撮影された地上の画像を切り取り&加工できる

出典:日本コカ・コーラ PR TIMES プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000797.000001735.html

 

こんな感じで“エモみ”を感じさせる写真加工コンテンツや、投稿&共有をうながすコンテンツなどなど、全体的に「若年層の取り込み」を強く意識した企画となっている印象です。

新しいブランドサイトやリニューアル告知サイトなどを見ても、今後は缶ではなくペットボトルラインナップ群をブランドの顔として打ち出していく方針であるようなので、そのターゲットにあわせたコンテンツとして企画されているようです。

出典:GEORGIA ブランドリニューアル告知サイト https://www.georgia.jp/new_campaign2023/

 

そんな、ジョージアブランドのターゲティング戦略(もといマーケティング戦略)に関して興味深い気づきがありましたので、今回はそちらの点を主軸にお話しさせていただきたいと思います。

 

 

缶は…缶はなくなっちゃったの?

告知サイトだけでなく、ジョージアブランドサイト(常設サイト)でも紹介されている商品はすべてペットボトル商品ばかりであり、缶は一切出てきません。PRODUCTS紹介ビジュアルもこんな感じです。

出典:ジョージアブランドサイト https://www.georgia.jp/

 

前述のように、今後ジョージアブランドとしてはペットボトルラインナップをメインに推していきたい方針は誰の目にも明らかです。

ここまでペット推しが徹底されると、1つの心配が頭をよぎるのです。そもそも缶がすべてなくなっちゃったんじゃないか——?と。

ただ、安心してください。缶は缶でちゃんと残っているようです。おじさん的には缶のほうがなじみ深いので安心しました。ただし1つの違和感を除いては・・・。

 

 

若者にもおじさんにも対応した「二重人格」戦略

その違和感というのが、缶系のほとんどの商品では、依然として旧来のGEORGIAロゴが使われている点です。こんな調子で。

出典:日本コカ・コーラHP>製品情報>ジョージア https://www.cocacola.co.jp/brands/georgia

 

ジョージアブランドはアイテム数が多いので順次切り替え予定…?という可能性も想定されつつも、同ブランドを代表する主力商品であるブラックやエメマンでも旧来ロゴのままです。さすがにそこには違和感です。ロゴ変えるなら真っ先に変えないといけない商品たちであるはずなので。

となると、そこからある仮説が浮かび上がってくるのです。これはブランドの「二重人格化」戦略をとっているのではないかと。今回の場合は「若者人格」と「おじさん人格」です。

今回の新ロゴとそれを冠した商品群(主にペットボトル群)たちは、ジョージアの「若者人格」側を担っています。今回の「毎ドラ部」プロモーションのやたらエモエモでシェアシェアな感じもまさにといった感じです。

おそらく今回のその若者の定義として「Z世代(2023年時点で10代後半~25歳くらいまで)」が据えられているのでしょう。

 

したがって、もう一方のおじさん人格側が対象としているのは、それより上の世代(30代以上のとくに男性)ということになります。引きつづき利用されている旧来のロゴも、そんなユーザー層を意識した「至福のアロマ」や「大人の一服」をイメージしたロゴであったりしますし。

 

 

この戦略って…アノ企業のアレと似てない…?

と、ここまで分析したところで、1つの疑問が湧いてくるわけです。なぜ二重人格であるはずなのに、片方の若者人格一色なのか?と。

「毎ドラ部」コンテンツだけならばまだわかるんです。特定のターゲットに向けた特設サイトですから若者人格を全面に打ち出して構わないと思います。

しかしながら、ブランドサイトは違います。ブランドサイトは本来、推したい商品の強弱は多少つけることはあっても、ブランド全体をニュートラルに紹介するのが本来の在りかたです。つまり、今回の場合はおじさん人格もバランスよく意識されたつくりである、というのがセオリーとなります。なのになぜなのでしょうか…。

と、この話を進める前に、ソフトドリンク業界に関わりがある方はすでにお気づきのことかとは思いますが、今回のジョージアブランドの二重人格化が起きた背景には...

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