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【明治/ロッテ】バレンタインのコラボコンテンツに見るマーケティング戦略の変化

明治「チョコレート商品各種」/ロッテ「クランキー にじさんじデザイン」「クランキーポップジョイ にじさんじデザイン」

バレンタインをオワコンだなんだと言っている人たちは、自分自身がオワコン化(老化)していることに気付けていない人たちだと思います。老いれば老いるほどバレンタインなんてどうでもよくなるのは必然です。そして、少子高齢化が進む今の日本でバレンタイン離れが進むのも、これまた必然と言えます。

※本文中の一部に、読者様に不快感を与えかねない不適切な表現が含まれておりましたので、一部内容修正させていただきました。謹んでお詫び申し上げます(2023/3/3)

 

コロナ禍でガクッと落ちたバレンタイン需要の、コロナ後の戻りの鈍さが話題になっています。今年2023年の結果はまだ出ていませんが、コロナ禍での急激な落ち込みを経て、昨年2022年から復調傾向になったようですが、とはいえコロナ禍前の2019年の水準までには到底回復されないだろうとも予想されています。

その主因と言われているのが、職場での「義理チョコ」文化の急激な衰退です。コロナ禍、テレワーク普及、物価高騰のトリプルパンチで、とくにチョコをあげる側の女性たちから無駄な“経費”とみなされてしまっているようです。

出典:Job総研 「2023年 バレンタイン実態調査」 https://job-q.me/articles/14795

 

そんな状況のなかで、ぐるなびが実施したバレンタイン調査の今年と去年の結果を比較すると、「職場の上司や同僚」へのチョコレート購入がとんでもなく下がっている一方で、「自分用」が「恋人・パートナー」を超えて2位になっているところが興味深いです。これも時代の変わり目ということなのでしょうか。

出典:ぐるなびリサーチ部「2023年バレンタイン調査」 https://corporate.gnavi.co.jp/release/2023/20230119-019602.html

 

それはそうと、今年の調査結果グラフから「意中の異性」や「異性の友人」という、バレンタインの本来のド真ん中の購入動機であるはずの回答結果が端折られてしまっているところがむしろ気になってしかたがありません。

なぜ端折ったのでしょうか?さすがに調査実施時の回答選択肢としては存在させていたはずだと思うのですが。もし仮に、これがとんでもなく悪い結果だったゆえの端折られなのだとしたら…。それはそれで時代の変化がそんなところでも現れているということになります。

もはや日本で長らく親しまれてきた女性→男性へチョコを贈る“ザ・バレンタインデー”な需要は跡形もなくなってしまったということを意味しているのかもです。

 

 

バレンタインにウマ娘…なぜ?

そんななか、明治とロッテの2大チョコ菓子メーカーがバレンタインにあわせて興味深い施策を打ち出していました。

明治はウマ娘コラボキャンペーン(以前の記事で取り上げた施策の延長)、ロッテはにじさんじのVTuberたちとコラボしたクランキーの発売です。

どちらも、バレンタインにあわせた推し買い(=実質的な自分用チョコ購入)を狙ってるのは明らかなのですが・・・。

▼明治チョコレート×ウマ娘コラボ

出典:明治「夢にとどけ!明治・ウマ娘応援プロジェクト」特設サイト https://www.meiji.co.jp/products/brand/cmp/close2212/campaign3/

▼ロッテ CRUNKY × にじさんじVTuberコラボ

出典:ロッテ「クランキーにじさんじデザイン」発売リリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001945.000002360.html

 

にじさんじはなんとなくわかるんです。男性VTuberに限らず、女性VTuberにもそこそこ女性ファンがついてますから。実際の購入者比率では男性のほうが上回ってしまったのだとしても(たぶん結果はそうなってるはずです)、建て付けとしては女性もしっかり狙ったものになっているので、とりあえずのバレンタイン企画としての体裁は保てていることになります。

一方で、ウマ娘が謎なのです。女性ファンも多少はいるのですが、やっぱり圧倒的に男性ファンが多いからです。

平時でこれをやるのはいいと思うのです。が、今回はあくまで「バレンタインデー」ですから。せめてもう少し女性ファンの比率が高いコンテンツにはできなかったのだろうか?と思ってしまったりもするわけです。

ちなみに、具体的な施策内容はこんな感じです。Twitterで明治チョコの画像とともに応援したいチームを投稿するという内容のようなのですが・・・。

 

やっぱり、どこからどう見ても、男ヲタたちが鼻息荒く推しチームの応援買いをする姿しかイメージできないのです。そこに女性のニオイはしません。繰り返しますが、これは「バレンタイン」施策です。本来は主に女性がチョコを買うイベントです(あくまで日本では)。

 

 

店頭ではっきりと見えた狙いの輪郭

そんな明治の狙いどころは、店頭での販促展開見た時にはっきりと輪郭が見えました。ちなみにその店頭は以下のような状況です...

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