コレクターと呼ばれる人たちの中には、コンプすることに対して並々ならぬ執念を燃やす人たちがいます。強烈な執着心や完璧主義に駆り立てられるようです。
今回、彼らの特徴をもう1つ発見しました。彼らは収集の「過程」にもその完璧主義を発揮し、楽しんでいるようです。例えば、「収集チェック表」がその例です(くわしくは本文をご覧ください)。
と考えると、彼らを楽しませるためには、ときにコレクション情報は、あえて公表せず、とっ散らかしておく(整理しがいがある状況にしておく)のも大事なのかもしれません。
日清食品が「カップニャードル」なるゲームコンテンツを展開しています。カップヌードルのフタの裏をモチーフにしたバーチャル猫ちゃん(以下「ニャードル」)たちを自身のお部屋で飼うことができるらしいです。
部屋をうろつくニャードルたちを眺めたり、なでたり、おもちゃを置いたりと、カップヌードルをすすりながら片手間でも遊べるゆるカワコンテンツです。
ニャードルは全24種、カップヌードル(定番4フレーバーが対象)のフタの裏面にはランダムに1匹の顔が描かれています。その顔をARで読み込むと、そのニャードルを部屋に呼びよせることができるという仕組みです。つまり、カップヌードルのフタを開けるタイミングが一番ドキドキするやつですね。
さらには、部屋の模様替えや、隣の部屋をのぞく(他ユーザーの部屋を訪問)、SNSシェア用画像生成機能なども付いており、コンテンツを通した他ユーザーとの交流なども意識されております。
実際に商品購入してアプリで遊んでみましたが、ロード時間が遅かったり突然落ちたりするなどのシステム的なトラブルが多い点を除いては、プロモーション系のゲームとしてはなかなかクオリティが高いです。
ログイン日数に応じてログインボーナスアイテムがもらえたり、何日もログインしなかったり、なでたりせず放置したりすると、猫たちがすねて部屋から出ていってしまう仕様などなど、継続的にアプリに接触してもらう仕掛けがいろいろ組み込まれています。
そして、この施策の目玉といえば、レアキャラたちの存在です。24種のニャードルにはそれぞれにレア度が設定されており、高レアリティキャラにはTwitterでおなじみの仕事猫(通称:現場猫)や、アプリゲーム「にゃんこ大戦争」のネコ、ガストの配膳ロボ「ネコロボ」などのコラボ系ニャードルもいるようです。
そこらにいる野良猫を集めたような雑多な雰囲気が出ていていい感じです。ここにキティちゃんとか、マリーちゃんとか、ハチワレ(ちいかわのネコ)などの猫ちゃんたちはお上品すぎて合いません。※そもそも競合使ってるからコラボNGみたいな話は別として。
そして極めつきには、チキンラーメンのひよこちゃんまで登場するようです。もはや猫でもなければネコ仮装させるわけでもなく、そのまんまのひよこちゃんをニャードルの1種として登場させちゃってます。このあたりの“なんでもアリ感”は日清らしさがあっていいですね。
出展:https://x.com/ciaosblues/status/1700422724823462289
こういうコレクション性をともなうコンテンツを展開すると、必ず一定数発生するんですよね。「コンプしなきゃ気が済まない病(以下「コンプ病」)」の人たちが。
企業側もそういった類の人たちが発生するのはもちろん把握していて、その人たちからしっかりカモる「銭ゲバ派」か、あるいはあまり無茶させないようほどほどにセーブさせる「良心派」かで、企業(あるいはブランド)ごとにスタンスが分かれます。
そして、それにともないコンテンツの各種設計も変わってくるのです。
出展:https://x.com/MadaMadaoX/status/1705834509453996066
ところで余談ですが、コンプ病ガチ勢の人たちはコレクション用のチェック表をつくるらしいです。キャラクター情報は公式からは一切明かされていませんから、すべてSNS等で情報収集したんでしょう。
すごい行動力と情報収集能力ですが、こういうのも楽しいんでしょうね。そんな彼らの習性もまた、コンテンツ設計の参考になりますね。
出展:https://x.com/sumomonoutitti/status/1704061538288668966|https://x.com/Nekone_nuko/status/1707140771210813829
で、今回の「カップニャードル」コンテンツはどっちなのよ?しっかりカモる「銭ゲバ派」か、ほどほどセーブさせる「良心派」か、という話をします。
この「カップニャードル」コンテンツは明らかに...