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【ファミリーマート】ずるウマい!任意を必須に見せる魔法の言いまわし

ファミリーマート「ファミペイ」

一休さんの有名な話の1つに「水飴の毒」のエピソードがありますよね。和尚さんが小僧さんたちに水飴を食べられないように「これは毒だ」と伝えたものを、一休さんが逆手に取って水飴を食べてしまうという話です。

では、和尚さんはどうしていたら正解だったのでしょうか?ちなみに水飴の入った壺は一休さんに1人で持ち帰らせたといわれているので「隠す」という案は不可能です。

小生もマネジメント職の端くれとして、和尚さんのそんな他愛のないレベルのウソは、時に必要なウソであるとも考えています。

言い聞かせても従わない、かといって厳しい罰則で取り締まるほどでもない——。そんな微妙なシチュエーションで活用できるテクニックです。

 


 

ファミリーマートの公式アプリ「ファミペイ」でウマ娘とのコラボプロモーションが開催されています(8月22日~9月11日まで)。

声優サイン入りのキャンバスアートやクリアファイルが当たるようです。ウマ兄貴たちの購買意欲をそそる逸品です。ま、ウマ娘コラボならモノはなんでもいい人たちですが。

出展:ファミリーマート『ファミペイスタンプキャンペーン「ウマ娘」スタンプ(菓子コース)」特設サイト

 

ところで、オリジナルA4クリアファイルのほうにわざわざ「A4」ってつける必要ある?だってふつうA4だよね、と思ってしまったアナタ。甘いです。今や、販促系のクリアファイルではA4サイズは当たり前ではないのです。

各企業の、高い志のもとにおこなわれているすばらしきエコ活動の結果、景品クリアファイルは年々小さくなりつづけ、今や何を入れればいいかもわからないくらいの極小なものも当りまえにクリアファイルという名を堂々と冠する時代になりました。
※参考:過去の記事『【明治】あえてツッコミどころをつくる戦略@ウマ娘コラボキャンペーン

クリアファイルはプラスチックですから。クリアファイルを小さくするということはすなわちプラスチック削減ということになります。すばらしきエコ精神。まさに地球環境保護、サステナブルってやつです。

——ただの経費削減ではないかって?そんなこと断じてありえません!冗談でも口にしてはいけません。今の社会の空気感がそれをぜったいに許しません。“秩序”を乱す不穏分子として社会的にポアされてしまいますよ。だから言ってはダメです。

ただ、そんな企業のすばらしい志とはウラハラに、応募者からしたらやっぱり「大きいほうがいい」というのが実態です。そこに環境保護うんぬんは関係なく、推しキャラのクリアファイルは普通のクリアファイルサイズであってほしいよね、という単純な話です。

よって、こういったキャンペーンの応募者に対しては、「A4サイズである」ということは今となっては魅力の1つであり、あえて書き添えるべきアピールポイントになっているのです。

 

 

まるで必須条件かのように見せる絶妙な言いかた

今回、“言いかたソムリエ”であるわたくしが注目したいのは、こちらの「プッシュ通知をONにしてください」注意書きです。

出展:ファミリーマート『ファミペイスタンプキャンペーン「ウマ娘」スタンプ(菓子コース)」特設サイト

 

注意書きというよりは警告文といったほうがよさそうな見た目ですね。荒々しい渋みの奥に芳醇さが感じられる味わい深い言いかたでございます。

「当選結果はプッシュ通知で知らされるのでプッシュ通知をオンにしてくれ」とのことですが、この言いかたから連想される仕様は以下のうちのどちらかです。

  1. プッシュ通知“のみ”でしか当選が確認できない
  2. プッシュ通知“でも”当選が確認できる(アプリ内メッセージでも見れるが)

Aはつまり、当選の確認手段はプッシュ通知のみであり、それを見逃したら当選権利が消滅するっていうことですよね。そんなイジワルな仕様はさすがにありえないと思います、常識的に。したがって、実態としてはBのほうが正解だと思います。

ただ、この警告文をはじめに見たときの印象はいかがでしたか?おそらくAの印象だった方も多いかと思います。あるいは、Bだろうとは思いつつも、もしかしたらAなのかもしれない…?と、その可能性は捨てきれないとも感じたのではないでしょうか。

そこがウマいポイントです。おそらくファミマには「アプリからのプッシュ通知ON率を上げたい」という慢性的な課題があるのだと思います。

しかし、お願いします~的なスタンスではなかなかONにしてくれない…ならばしゃーない、もっと義務っぽさを感じさせるようにしよう(でも実際はもちろん義務じゃないけれど)という作戦をとっているのだと思います。

※なおこの“警告表示”は今回のウマ娘キャンペーンにはじまったものではなく、1~2年前あたり(?)から不定期で展開されています。また、全てのキャンペーンに展開されるわけでもなく、ごく一部のキャンペーンが対象になっているようです。そこにもちょっとした法則があるように見えます。

 

 

ただし、安易な応用は禁物です

ただし、この作戦をとるにあたって1つの懸念点があるのです。それは...

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