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【コーセー雪肌精】大谷くん×羽生くんの“二刀流体制”が必要であった裏事情

コーセー「雪肌精 シリーズ」

エンゼルスの大谷くんが、あのメロン肩やたくましい腕にただひたすらUVを塗っているだけの動画——。がもしあったとしたら、ソッチ界隈やフェチ界隈の人たちだけでなく、一般男子でも目を釘づけにさせられる妙な魅力がありますよね、彼の身体は。今の大谷フィーバー中はなかなか難しいかもですが、もう少し落ち着いたら彼の大胆ボディを活かした新しい表現法の可能性も探っていただきたいところです。

 

昨年末~年初にかけて大きな話題になったコーセーによるエンゼルス・大谷翔平とのグローバル広告契約。2023年元旦に全国の新聞で展開されたフィギュアスケート・羽生結弦とのW起用されたコーセーの全面広告はまだ記憶に新しいです。

そして、2023ワールド・ベースボール・クラシック開催にあわせた3月8日からは、大谷くんを起用した「雪肌精UV」のTV-CMもスタートし、彼を使ったプロモーション活動が本格始動されました。

出典:コーセー雪肌精「大谷VS太陽キャンペーン」特設サイト https://sekkisei.jp/site/p/sekkisei_clear_wellness_uv.aspx

 

ちなみに、雪肌精といえば数年前からブランドアンバサダーとして羽生くんを起用していたわけですが、今回の大谷くんの起用により実質的に降板?ともささやかれてはいましたが、羽生くんも引き続き活用されていく方針であるようです。今回の雪肌精UVも大谷ver.と羽生ver.の2パターンが展開されています。さながら“二刀流”体制です。

ただ、表向きは二刀流体制とされてはいますが、いかんせん今後のメインは大谷くんにシフトされていくのは致しかたなしかなと。

出典:雪肌精 SEKKISEI 公式(JAPAN) Twitter https://twitter.com/kose_sekkisei

 

というのも、昨年には競技引退を表明した羽生くんよりも、今ノリにノってて直近ではWBCという一大イベントでの活躍まで期待されている大谷くんのほうが重用されるのは当然の流れと言えるからです。

そんななかでも、ひとまずユヅ(羽生くん)が雪肌精アンバサダーを続けるという話にファンたちはさぞ喜んだことでしょう、と思いきや…どうも羽生くんの熱狂的な信者たちは、そんな“大谷>羽生”な扱いに発狂し、大谷くんの雪肌精キャンペーンSNS投稿やコーセーの公式SNSアカウントを荒らしてまわっているようでして、ネット民たちからは「羽生信者怖すぎでしょ」「羽生くんの足引っぱってどうすんのよ」ともっぱらのウワサです。

 

 

ブランドの「若返り」と「ジェンダーレス化」を狙う大谷くん起用

ところで、今回のコーセーによる大谷くん起用の経緯はいろいろとあるとは思いますが、その中でも重要な狙いどころとしてはやっぱり「男性需要の獲得」があるのは間違いなさそうです。

昨今の男性のコスメユースが広がっている実態からしても、大谷くんの起用をキッカケに男性たちを雪肌精ユーザーに取り込んでいきたいという考えが当然ながらあります。

例えば、大谷くんと同じ世代の20代後半まわりの美容意識の高い男子たちが雪肌精UVを皮切りに、雪肌精アイテム群を使いはじめてくれたら、一気にブランドの「ジェンダーレス化」と「若返り」が実現されるわけです。

かといって彼のファン層が男性にばかり偏っているのかというと、そういうわけでもなく。この調査結果にも出ているとおり、女性からの支持もしっかりあってバランスがいい。そこが今回の雪肌精アンバサダー起用の大きなポイントにもなっているはずです。

出典:笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査」2022 https://www.ssf.or.jp/thinktank/sports_life/data/favorite_player.html

 

一方、羽生くんの支持層はほぼ女性です。男性からの人気は圏外であるにもかかわらず、女性からの票だけで総合2位という点が、その極端さを物語っています。

しかも、羽生くんはとくに中高齢女性層からの支持も堅いため、雪肌精ブランドの既存の顧客との相性はいいのですが、一方で新しい顧客層を開拓するという目的においてはちょっぴりインパクトに欠けるところが懸念されていたものと思われます。

 

 

大谷くんと羽生くんにはそれぞれ役割分担があるのです

さりとて、羽生くんがもう雪肌精ブランドにとってもはや不要な存在なのかというとそういうことでもなく。彼の信者たちの“お布施力”=ファンたちのお金を引き出す力は企業からしたら魅力的です。ファン一人あたりから引っぱれる金額でいうと大谷くんのそれより確実に上だと思います。

そしてなにより、羽生くんのファン層は雪肌精の現状のメインユーザー層と重なりますので、雪肌精ブランドとしては「その層が離れるといろいろイタい」ところを握っている教祖様であるといえます。

 

そこで、今回の雪肌精によるこの2人の男性アスリートたちの起用における“役割分担”が見えてくるのです。

    • 大谷くん…新たな需要の開拓
    • 羽生くん…既存売上の維持

雪肌精が長期的な目標として掲げている「ブランドの若返り」という観点において、大谷くんやそのファン層に対して注力アプローチしていきたいというのがコーセーの本音だと思います。

ただし、大谷くんを起用したからといってすぐにその効果が現れるような「熱狂的信者」を彼が率いているというわけでもないので、その“切り替え”を性急におこなってしまうと急激な売上げ低下にもつながりかねない。

そこで、羽生くんとそのファン層が「売上のベース担保役」としての役割を担っているというわけです。前述のとおり、羽生くんのファンたちは一部過激派がいるなど民度的リスクがあったり、ブランドの若返り推進力には欠けるという懸念点を差し引いても、彼の教団一派がもたらすマネーインパクトは企業にとって魅力的なのです。

 

 

羽生くん“一本足打法”がはらんでいた潜在リスクへの対策も

…と、ここまでの話のなかで、まだ触れていない羽生くんの信者たちの特徴がもう1つありまして。それが今回の大谷くんとのW起用のもう1つの、大きなキッカケにもなっていると思うのです。

それは、羽生くんの信者には...

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