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【Schick】仮面ライダーコラボ商品で40代をスルーしたマーケ上の事情

シック・ジャパン「Schick ハイドロ5プレミアム 仮面ライダーシリーズ(刃付き+替刃4コ)」

男性のみなさん、あなたが幼少期に夢中になった特撮モノはなんですか?ウルトラマン?仮面ライダー?スーパー戦隊シリーズ?メタルヒーローシリーズ?世代ごとで挙げられるヒーロー名は変わってくると思いますが、ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズは今なお続くシリーズですが、中間でスッポリ抜ける“ミッシングジェネレーション”がいます。

 

Schickが仮面ライダーとコラボした限定デザインカミソリを2月3日に発売しました。本年3月に予定されている映画「シン・仮面ライダー」の盛り上がりムードに乗じた企画であるようです。

なお、コラボに使われているライダーは、昭和初期の2ライダー(1号、V3)と、平成初期の2ライダー(クウガ、アギト)の、計4ライダーが起用されています。

出典:「Schick×仮面ライダー 変身!昭和&平成ライダーのカミソリ限定発売」特設サイト https://schick.jp/pages/kamen-rider

 

昭和初期ライダー(1号、V3)のドンピシャ世代は、2023年現在の50代後半~60代前半あたりの男性になります。一方、平成初期ライダー(クウガ、アギト)のド真ん中世代は、今の20代後半~30代前半あたりです。

そうなると、その中間の世代(40代とその前後)のライダーはどうした?となりますよね。その事情は後ほどお話しします。

出典:シック・ジャパン「仮面ライダーシリーズ コラボモデルカミソリ発売」リリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000055903.html

 

 

おじさんたちの懐古買い必至?おまけが「めんこ」※キラもあり

ところで、この施策には注目したいポイントが2つあります。

1つは、つながるパッケージです。これはSchickのお得意技です。以前も鬼滅の刃コラボなどで、何弾かにわたって同様のつなぎ絵スキームを活用していました。

今回の仮面ライダーコラボでは、4種類のパッケージを並べると1枚絵ができあがります。なお、インナーパッケージもつなぎ絵デザインになっているようなので、2パターンのつなぎ絵が楽しめるということになります。

 

そしてもう1つのポイントは、当該商品のベタ付け(購入商品についてくるオマケ)としてついてくる仮面ライダーのめんこです。全12種類、1/10の確率でキラもあるとのこと。

平成ライダー世代(2023年現在の20代後半~30代前半)は、めんことはあまり縁がない気もしますが・・・。そのあたりは「もらわないよりは嬉しいでしょ」といったところでしょうか。ひとまずめんこに限って言えば昭和初期ライダー世代(現50代後半~60代前半)がメインで狙われているようです。
※そもそも「めんこ」って何?というかたは、そのへんの50代以上のおじさんをつかまえて教えてもらってください。

 

そんなめんこも、つながるパッケージも、明らかにコレクション買いを誘いにきています。コレクション買いはお菓子業界などではよく見かける手法ですからアリですね!

…な~んて単純な理由で納得しちゃうわけないですよね。これ、カミソリの本体ですから。1本あれば十分なモノですから。しかも替刃も5個付き。さらに1箱約3千円なので、つなぎ絵つくるために4種買い揃えるだけで12,000円(替刃も計20個)、めんこコンプをキラ含めて狙ったら何万円必要なのよ…というレベルです。

まとめ買いしてもそのうち食べるからいいでしょ、と軽いキモチで購入できる菓子類とはずいぶん話が違います。よっぽどの仮面ライダーフリークでもない限り、コレクション行為の対価としてはちょっと二の足を踏んでしまいそうな内容です。

 

 

やってもやらなくてもコストに大差なしなら、とりあえずやったほうがいいよね

ただ、Schickはそんな無茶なコレクション買いを本気で狙いにきてはいないはずです。あわよくば一部のライダーフリークたちがまとめ買いしてくれればいい程度のものだと思います。

つながるパッケージも、めんこも、それほどコストをかけずに実装できるものですから、それだけでフリークたちの複数点買いのチャンスが創りだせるならば悪くない投資であると判断しているのです。

むろん、これは「仮面ライダー」という強力なコンテンツありきのシナリオであるということは忘れてはいけませんが。

https://www.famitsu.com/news/202208/22272901.html

 

 

仮面ライダーがいまいちパッとしなかったジェネレーション

そして、中間の世代(2023年現在の40代+その前後)に向けたライダーがなぜ起用されていないのか?という話をします。その世代にだって当然ヒゲソリ需要はあるわけじゃないですか。なのになぜその世代はスルーされているのか。

仮面ライダーシリーズには“冬の時代”と言われる時期があり、それがちょうどその世代の幼少期に重なる形で存在していました。ほかの特撮ヒーローシリーズの人気や、80年代のロボットアニメ大ブームに押されていた時代です。

出典:東映著「特撮ヒーローの常識 80年代篇」-Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/4575305588

 

仮面ライダーシリーズの黄金期を2つ挙げよと言われたら、たしかに今回のコラボで起用されている昭和初期(1号~V3)と、平成初期(クウガ~アギト)の時代のライダーが代表となるのは確かだと思います。

ただ、その中間の時期にも、十分に人気といえるライダーたちはいました。仮面ライダーBLACKや、RXです。どうもライダーシリーズのなかで影は薄いのですが、視聴率だけで言えばどちらの作品も平成黄金期に含まれる仮面ライダークウガとほぼ同等の水準をたたき出しています。

だったら、今回のSchickコラボでも、それらのライダーも含めて6ライダー起用にして、ヒゲソリ需要のド真ん中の20代~50代をまんべんなく網羅できる布陣にしたっていいじゃないですか。

https://www.famitsu.com/news/202210/28280693.html

 

 

「40代はスルーでいっか」と判断された別の事情

では、なぜそうしてないのか?それは、そこまでコスト(ライセンス料)をかけられないという判断もあったのだと思いますが、もう1つ、その「中間世代」が今まさに置かれている状況も関係します。

このスッポリ抜けている中間世代=40代+その前後の人たちは...

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