「LUCKY BAG」という名の福袋のフライング売りが世の中に定着して10年くらい経つでしょうか。今やフライングどころか季節の変わり目ごとに見かけるようになってしまい、その特別感やありがたみは薄れてしまった感があります。が、もうここまできたら後には戻れません。きっとそのうち飽和点(=これ以上やっても販促効果が見込まれない状況)が来ます。そこが終着点であり、そして次なる進化への起点でもあります。
ところで、福袋のルーツは江戸時代までさかのぼり、現在の三越百貨店の前身である呉服屋の越後屋が「えびす袋」という名で布の端切れなどを袋にまとめて販売したことからはじまっているようです。当時から、一部に高価な帯などが入った“当たり袋”があり、それを期待して多くの人たちがこぞって運試し買いをしたことで大評判になったようです。
わかりきった話ですが、売り手にとっての福袋の本質は「在庫処分」であります。ただ、在庫処分と言ってしまうと聞こえが悪いし、ブランド価値の毀損につながってしまう。そこのあたりのもどかしい売り手事情に、うまくハマった売りかたであるといえます。
一方、最近のLUCKY BAG(ここではオーソドックスな「福袋」ではなくもっとカジュアル化した「福袋的なやつ」を指しています)はどうでしょうか。それらはほとんどの場合、内容物を完全開示する方式で売られています。福袋にあったはずの“運試し”要素がありません。
つまり、「LUCKYかもしれないBAG」というよりは「安く買えてLUCKYなBAG」という、微妙なニュアンスの変化がそこにはあります。
そうなってくると、また前述の売り手としてのもどかしさが再燃してくるのです。「ただの在庫処分の安売りやんけ」という気付かれたくないホンネがバレバレになってしまうからです。
そんな状況におかれつつあるLUCKY BAGのうち、新たな生き残りの活路を見出したブランドが、クレンジングバームDUOです。DUOは...