「あの人の真似ばかりしてたって、あの人には勝てないよ」——。なんてセリフを映画やマンガの世界では見ますが。「そもそも足をひっぱるのが目的だから勝たなくてもいいんだよねぇ」というのがビジネスシーンではしばしばあるのです。
とりあえずこの売場写真を見てください。

お気づきになりましたか?よく見ると中央の2つの商品は別ブランドなのです。右はキリンの「本麒麟」、左はサントリーの「金麦ザ・ラガー」です。
日ごろから飲み慣れている人でも「え~と・・・」と一瞬迷ってしまいそうなほどそっくりなデザインです。以前からこの2ブランドのデザインは似ているともっぱらの噂でした。そんななか、今年の年初に金麦ザ・ラガーが黒色ベタ塗りを取り入れたデザインになってハッキリ区別化された感があったのですが、ここ最近になってまた黒ベタ塗りをやめたため、あらためてデザインがそっくりになってきた感があります。
そして、今回のようなキャンペーンデザインになるとさらに見分けがつきづらくなります。しかもどちらもお肉をガッツリアピールするデザインですからなおさらです。
さすがにここまでの状況を見て「うわ~偶然似ちゃって不運だねぇ~」なんて言う人はいないと思います。お察しのとおり、このように相手をトレースする戦略を一方が仕掛けているわけです。
それを仕掛けているのはどちらかというと・・・言うまでもないと思いますが、デザイン上で商品ビジュアルを大きく見せているほうが“仕掛けられている”側、そうではないほうが“仕掛けている”側と見て差し障りないと思います。
ちなみにその狙いはというと、いろいろな思惑が想定できるのですが、その中で1つ確実な狙いとして「相手の勢いを抑えること」がいえます。言い換えると、相手の足を引っぱるということです。
足を引っぱることが目的?相手を打ち負かすことではなく?
そうなのです。残念ながら、強敵に正面からぶつかっていったその“そっくり武将”は討ち負ける覚悟で挑んでいます。どんなに良くても相討ちです(※ここでいう勝ち負けとは単純な売り上げの話だけではなく、ブランドのプレゼンスなども含まれます)。
でもそうすれば、強敵の威力は多少なりとも弱体化させられます。そしてその結果、利するのは誰か?そうです、自軍の大将のパワーが相対的に高まるのです。いますよね、“大将”といえる商品が。この赤いパッケージではないやつが。
なお、この“そっくり作戦”をとるときには定石があります。それは以下の...
